「いざ、ここぞ」、「さて、どこぞ」

玄侑宗久
玄侑宗久/「我が身の経営」

人生には100点をとるしかない時がある

肝心かなめの「ここぞ」というとき、人は相手の誠意や情熱、ひいては人生への態度そのものを深く胸に刻み、永く記憶することになる。関係性が大きく作用するそのような場面以外では、じつは関心も他人ではなく、意外なほど自分に向いていることが多いのである。

問題は、いつが「いざ」というときであり、どこが「ここぞ」かという見極めである。
その見極めは結局自分でするしかない。