森山大道展 - 1. レトロスペクティヴ1965-2005 - 2. ハワイ

東京都写真美術館で「森山大道展」を見てきました。
http://www.syabi.com/details/daido.html

写真を撮るようになってから大森大道という人がいるのは知っていたけれど個展に行ったのは初めて。さまざまな場所で何度か見たことはあったけれど。

写真家としてデビューしてから現在までの作品を時代ごとに紹介した展示だった。写真家になったとき。写真と向かい合いながら「写真とはなにか」と考えていたとき。そして、「写真とは光と時間の化石である」と答えをだしスランプを抜け出したとき。そして最新作のハワイまで。写真と言葉を辿ることで、どういったことを求めて写真を撮り続けていたのか知ることができ、また、ひとつのことを追い求める執念を感じることができた。

何かとは、要するに自分自身のことだろうし、旅をするということは、とりも直さず自己を見続けようとする意識のプロセスに他ならないだろうと思う。

僕の目に映ってくる粒状の光の破片を僕は光の化石だと考えている。
全てを透過した光の粒状そのものの先に
もしかしたら写真の本質がひそんでいるのではないだろうか。

僕と写真とのそう短くもない関係は結局、自身の内部(なか)に根強く在る<表現性>との戦いだった。つい表現したくなる自分を抑え込むことは少なくとも僕にとっては至難の業だった。

光がただそこに当たる光そのものとして単純に、しかもくっきりとした輪郭を持って、僕の目に捉えられるようになったのはつい2年ほど前のことであった。1984/11

森山 大道(もりやま・だいどう)氏について

インタビュー 商業デザイナーを経て、1963年にフリーの写真家となる。67年〈にっぽん劇場〉で日本写真批評家協会新人賞受賞。99年サンフランシスコ近代美術館、 2003年カルティエ現代美術財団で個展を開催するなど海外でも幅広く活躍している。04年ドイツ写真協会 文化功労賞受賞。

展示内容

今日、世界的にも高い評価を受けている写真界の巨人・森山大道の「足跡」と「今」を2つの展覧会によって展開。「レトロスペクティヴ 1965-2005」では代表作に加え、未発表作を含む約200点を、最新作「ハワイ」では、神秘的な自然と人々の日常をモノクロームで捉えた、独自のハワイを一堂に公開。写真集『ハワイ』で未発表の作品も含め約70点を大型プリントでご紹介します。写真の根源を突き詰める森山の作品群を、思う存分にお楽しみいただける展覧会です。